第3回】“測りにくい”を測る!変形ワーク用・検査治具の製作事例
【第3回】“測りにくい”を測る!変形ワーク用・検査治具の製作事例
こんにちは!機械屋ジーエムの吉見です。
最終回となる今回は、当社が実際に手がけた“変形ワーク用検査治具”の事例をご紹介します。
「測りにくい」「固定できない」「検査がしにくい」――そんなワークに頭を悩ませたことはありませんか?
今回のお客様からのご相談も、まさにこの3つの課題がそろったものでした。
■ ご依頼内容:形状が不安定なワークの寸法検査が難しい
製品は、複雑な曲面を持つアルミ鋳物部品。
従来の検査では、ゲージがうまく当たらず、「検査値が安定しない」「作業者によってバラつく」といった問題がありました。
お客様のご希望は以下の通り:
誰でも同じ位置に正確にセットできること
目視や手触りではなく、確実な数値で判断したい
検査工程に時間をかけたくない
■ ジーエムの提案と製作ポイント
当社では、まず製品そのものを3Dスキャンで取り込み、実物の形状を忠実にデータ化。
その上で、次のような提案を行いました:
自重で安定するように設計した置き治具
専用プローブで複数箇所をワンタッチ測定
手袋をしたままでも操作できるレバー構造
こうすることで、測定者による“バラつき”を防ぎ、検査の標準化を実現しました。
また、使用頻度の高い箇所には交換式の摩耗部品を採用し、長期運用にも対応。現場の声を丁寧に拾いながら、製作チーム一丸で取り組んだ一品です。
■ お客様の声
納品後、「検査時間が1/3に短縮された」「新人でも安定して検査できるようになった」と、大変うれしいお声をいただきました。
私たちは、これからも「現場のお困りごと」に寄り添う治具をつくり続けます。既製品では解決できない、そんな“ひと工夫”をお求めの方は、ぜひ一度ご相談ください。